富士の樹海の大室山へ
以前から近くを通る度に気になっていた山でした。精進湖からは子抱富士として有名な景観ですし、樹海の中でポコンと出た頭は山登りをする人なら気になる人も多いのでは? と思います。しかし、実際には気にはなってはいたけど、登山ルートを調べるまでには至っていませんでした。というか、昭文社の山と高原地図では破線すら無い山でしたので、樹海の中ということもあり勝手なイメージで登りにくい山なんだろうと勝手に思っていました。そんな時、一週間ほど前に富士五湖ドライブで久しぶりに見て再び登りたいという気持ちが湧いてきて、ネットで調べたらそれほど難易度は高くなさそうだったので、紅葉の季節ということもあり急遽登ってきました。
難易度は高くない、とは書いていますが、実際には整備された登山道なんて無いですから、地図読みは必須です。
トレッキングデータ
| 山行日 | 2015年10月24日(土)【日帰り , バリエーションルート】 | |||
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| コース | (スタート)県営精進湖駐車場~国道139~精進口登山道入口〜県道71号線~富士風穴〜本栖風穴~大室山(北峰)〜大室山(南峰)〜火口底〜県道71号線〜国道139〜県営精進湖駐車場(ゴール) | |||
| 山 名 | 大室山(1,468m) | | 歩行距離 | 24.606km | |
| 所要時間 | 08時間06分 | | 累積標高 | (+)934m |
トレッキング
精進湖畔の駐車場に車を駐める。でも、ここから精進口登山道入口までは湖を挟んで対岸にあるので湖をほぼ半周しなくてはならない。まぁ、富士五湖は10年ほど前にすべて歩いて一周しているので距離感は分かっているつもり。一周1時間ちょっとだから30分程で精進口登山道入口に着く予定・・・。
実はここでルートを間違えた。今回想定したルートは本栖風穴経由で大室山を目指すつもりだった。本栖風穴はこのゲートを越えずに右に進むのが正解だけど、ケービングツアーの人たちが真っ直ぐ行ったのでつい付いていってしまった・・・。
上の写真から視線を西方向に移すと天子山地が見える。でも、今日はガスっていてよく見えない。
一旦稜線に戻り、ふと重大な事に気付く・・・。あっ! 登山ルートばかりに気を取られていて下山ルートは全く考えていなかった・・・。選択肢として来た道を戻るというものあったけど、それじゃツマラナイので地形図と相談して別ルートで下ることにした。そうと決まれば・・・
・・・火口の底に降りる。
火口に降りる緩やかな斜面で、木の根がループ状になっている所に足を引っ掛けて転びそうになった時に、思わず足を踏ん張ってしまい治りかけの足を再び負傷してしまった。その瞬間頭の中でピキっていう音とともに、やっちまった! という声が響き渡った・・・。
大室山火口底 – Spherical Image – RICOH THETA
当初はもう少し下ったところで昼食をと考えていたけど、足の負傷のために下山に時間がかかりそうだったので、早めに昼食を済ませることにした。それと負傷した足を休めたかったという気持ちもあった。
15分ほどで昼食&休憩を切り上げて下山開始。まずはお鉢の縁に戻るために縁の鞍部まで登ります。
やはりまだ足は痛みます。歩けないほどではないので、ストックに体重を預けつつユックリ歩く。
縁の鞍部にある特徴的な木。
さて、問題はここからだ。地形図を確認する。ここの鞍部から北西に進むと最短で遊歩道に出る。足の問題もあるからなるべく最短で進みたいけど、この遊歩道は地図には書かれているけど、実際に存在するかは不明。また、遊歩道が実在してもそこに確実に出られるかも不明。なのでこのルートは却下。結局急がば回れということで、山の西側の斜面を北に進んで本栖風穴裏の取り付き点に出るルートを想定した。ルートが決まればあとは歩くだけだけど、実際にはこの辺りは踏み跡(獣道も含む)がたくさんある。その中で一番自分の思い描いたルートに近い踏み跡を選んで進む。
写真では分かりづらいけど、この辺りにはトゲのある木が群生している。季節がら厚手のジャケットを着ているのでなんとか進むことが出来るけど、夏場の薄着の時は進むのもままならないかも・・・。
・・・背の低いヤブを進む。踏み跡というよりあきらかな獣道が縦横無尽に付いている。道の大きさ、なぎ倒された草から判断するとかなり大きな動物が移動しているようだ・・・。
地形図で確認すると山の南側は荒地が広がっている。このまま北に進むと広葉樹林帯になる。意外に知らない人も多いけど、地形図は地形の他にも植生も書かれている。
ふぅ〜、荒地を抜けて広葉樹林帯に出た。ここでGPSで位置を確認する。うん、自分が思い描いていたルートを忠実にトレースしていた。このまま北に進みつつ、斜面を下れば、つまり斜面をななめに下れば、本栖風穴に出る。ひとつ不安なのが、左側の斜面を下るのでどうしても負傷した左足を踏ん張らなくてはいけない。
いっそこのまま真っ直ぐ下って、下りきった所を北に進めば楽かも・・・・なんて考えもしたけど、結局は斜面をななめに下ることした。足が辛くなったら、身体の向きを180度変えて右を谷側にして進む。つまりジグザグに進んだ。
ん? このテープ、斜面の下側と上側に続いている。ここが本来のルートなのか? とは言うものの踏み跡のようなものは一切確認出来ない。結局、自分が登った斜面とそう変わらないということだ・・・。
画面中央右寄りに取り付きの目印にしたピンクテープが見える。つまりここから登っていったってことだ。
この写真ならわかりやすいと思うけど、真ん中を堺に左側は平らだけど右側が斜面になっている。つまり、ここが大室山の縁になる。こんな明確な山は見たことが無い・・・。
精進口登山道入口到着。県道71号線から1時間25分位かかった。朝は登り基調&写真撮影で1時間20分だから、下りで写真もほとんど撮らずにひたすら頑張って歩いて1時間25分なので、かなり足の影響が出ていると言わざるをえないだろう。
と、自分ツッコミを入れながら湖畔の駐車場到着。当初の予定ではもっと早く戻ってくるはずだったけど、思っていたより距離があった(往復で約24km)のと、足の怪我のために思ってたより時間がかかってしまった・・・。でも、まぁ、無事に戻ってこれたのでよしとしよう・・・。
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