塩の道トレイルをスルーハイク 01/20
今回は塩の道トレイルを歩いてきました。糸魚川を起点として松本までの約120km(実際にはもう少しあると思われる)のトレイルです。「敵に塩を送る」の元になった逸話の上杉謙信が武田信玄に塩を送った時にこのルートで運ばれたと言われています。まぁ、実際にはこのルートの一部を通ったってことでしょうが・・・。
“塩の道”って言うくらいなので海側(糸魚川)から内陸部(松本)に進むのが本来の姿なのかも知れませんが、スケジュールと利便性で今回は逆に内陸部の松本をスタートして糸魚川を目指しました。そうすることで全体的に下り基調で歩けるという思いもありましたが、実際にはどちらから歩いてもそれほど変わらないように思います。ただし、糸魚川をスタートとすると、(今回私が歩いたコースだと)初日に一番の難所の大網峠(帰宅後に知ったことだけど、おおあみとうげ、ではなくて、おあみとうげ、と読むらしい)越えがあり、後半はほぼダラダラとした舗道歩きになるので非常にツマラナイと思います。個人的にはスルーハイクする場合(あくまで歩く場合)は松本スタートの方をお薦めします。トレランの場合だと元気な内に難所越えをしたほうが効率的ならば糸魚川スタートもありだと思います。
松本スタートというのは計画初期の段階で決まっていました。しかし、この塩の道トレイルはルートが沢山あります。松本をスタートした直後にも松本城の東側を通るルートと西側を通るルートで分かれます。また、小谷村(おたりむら)以北もいくつかのルートに分かれています。最初に悩んだのが松本と糸魚川をどのルートで1本の線で結ぶか、でした。計画が始まったのが2015年の12月でしたので、この時点で残雪の状況を予測することは不可能です。なので、当初の予定では松本をスタートして松本城の西側を通り小谷村までは公式マップ通りに進み、そこからは行き当たりばったりで、積雪量が多かった場合は山岳ルートを諦め、最悪国道沿いを通り糸魚川に向かう。というものでした。しかし、年を越え、1月2月3月と進む内に今年はかなり雪の量が少なそうだったので、山岳ルートも視野に入れて何度もルートの検討を行いました。しかし、この塩の道は山岳ルートの情報がほぼ皆無でしたので、深く入っていくルートは避けて、距離も短い(約10km)大網峠ルートということで計画を進めました。その後、スタートの2日前に公式サイトで大網峠は通行可という発表があったので、結果的には良いルートを選択したと思っています。その他細かなルートの関しては本文を御覧ください。
また、このトレイルは住宅街を歩くことも多く、前半は道標が皆無なので、ルートが非常に分かりづらいです。今回は公式マップの他にスマホアプリの「スーパー地形」内にルートを設定して持って行きました。それでも途中何度もルートを外しました。なので、今回のトレイルのルールを自分勝手に決めました。まず、スタートは牛つなぎ石(松本)、ゴールは道路元標(糸魚川)とします。基本的には公式マップを辿りますが、絶対にその道を通らなければならない、ということは無く、例えルートを外しているのが分かっても、その間違ったルートを進んでも本ルートに戻れる場合はそのまま進むこととします。いちいち引き返しません。ただし、その間違ったルートを進んでも本ルートに戻れない場合は素直に分岐まで戻り本ルートを進みます。二箇所だけそのような場合がありました。本ルートも実線と破線がありますが、基本的には実線を優先させます。もし、この塩の道トレイルを公式マップ通りに進みたい、という方がいたら、ルートに詳しいガイドを頼むか、GPSをフル活用してずっとGPSの画面とニラメッコして歩くか、するしか無いと思います。
同一トレッキングリンク
1.塩の道トレイルをスルーハイク 01/20
トレッキングデータ
| 山行日 | 2016年04月29日(金)〜05月04日(水)【テント泊】 | |||
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| コース | 【1日目】牛つなぎ石(松本)〜アルプス公園〜あづみの橋〜穂高神社〜かじかの里公園キャンプ場 【2日目】かじかの里公園キャンプ場〜木崎湖〜中綱湖〜青木湖〜北村キャンプ場 【3日目】北村キャンプ場〜道の駅白馬〜ホテルメリベル栂池(栂池高原) 【4日目】ホテルメリベル栂池(栂池高原)〜千国越えコース〜石坂越えコース〜道の駅小谷〜葛葉峠 【5日目】葛葉峠〜天神道越えコース〜大網峠越えコース〜塩の道(東まわりコース)〜道路元標(糸魚川) | |||
| 山 名 | | 歩行距離 | 【1日目】23.263km 【2日目】36.330km 【3日目】20.483km 【4日目】26.660km 【5日目】30.362km 【合 計】137.098km | ||
| 所要時間 | 【1日目】06時間12分 【2日目】09時間04分 【3日目】07時間04分 【4日目】10時間03分 【5日目】11時間07分 【合 計】43時間30分 | | 累積標高 | 【1日目】(+)363m(-)415m 【2日目】(+)795m(-)504m 【3日目】(+)396m(-)423m 【4日目】(+)1,272m(-)1,633m 【5日目】(+)1,383m(-)1,817m 【合 計】(+)4,209m(-)4,792m |
現在地

塩の道トレイル1日目
松本駅の近くにある駐車場に車を駐める。普通のコインパーキングだと複数日の駐車場は色々と問題がありそうなのでこの駐車場に車を駐めた。ここは管理人が常駐しているし屋根も付いているので複数日の駐車に向いている。念の為一月ほど前に予約の電話を入れて6日間駐めることを伝えてある。
スタート地点と言っても、ちょっと引いて見れば街の中のただの交差点(厳密には丁字路)。左下に上の写真の牛つなぎ石がある。普通の人も歩いている。その中でデカイザックを背負って派手な色のジャケット着ているおっさんは目立つのかジロジロ見られる。早くスタートしたい。
牛つなぎ石 – Spherical Image – RICOH THETA
さぁ、スタートするよ! 今日の目的地は「かじかの里公園キャンプ場」。距離は少な目の約20km。でも、自分の中のどこかにスタートしたくないもう一人の自分がいるのか、そのスタートはとてもスローなスタートだった。ちなみにザックはグレゴリーのトリコニで、総重量は約18kg。
今回は普通の道を歩くことが多いので(8割くらいは舗装路だと思われる)、ザックの後ろにリフレクターを付けている。LEDで光ったり点滅したりする機能もある。もっとも、今回は日が暮れてからも歩く予定は無いので光る必要は無いのかもしれないけど、例えば歩道のない長いトンネルとか昼間でも光って欲しい時はある。しかし、線路をくぐったり国道をくぐったりする以外は一切トンネルは無かったけど・・・。
松本城の西側を歩くコースと東側を歩くコースがある。初日だと言うことで、運転の疲れや寝不足のことを心配して1日目の歩く距離を20km程と抑え気味で計画を立てている。当初の予定では西側のコースを歩くつもりだったけど、それだと本当に、ただ平坦な舗道を歩くだけになってしまうので、ギリギリになって歩く距離は長くなるけど多少変化のある東側ルートを歩くことに変更した。なので、右に曲がりお堀を左に見ながら進むことになる。
ここで塩の道トレイルの地図について書いておきます。公式サイトから公式マップをダウンロード or 取り寄せることが出来ます。私の場合は取り寄せました。取り寄せると地図とチラシが送られてきます。まぁ、チラシはおまけみたいなもので、肝心の地図は3種類送られてきます。今回は写真にある小冊子タイプの物を持って行きました。その他に6枚組の地図もありますが、これはかなり大きく(広げると297mm×525mmもあり、蛇腹折りになっています)携帯にはちょっと、というかかなり邪魔です。もうひとつは1枚の地図でコンパクトに折りたたまれていて携帯性は抜群ですが、そのつど広げたり畳んだりするのがかなり面倒です。それにブロックごとに区切られて書かれているので非常に見にくいです。わたしのお薦めは今回持って行った小冊子タイプの地図です。大きさも昭文社の山と高原地図を折りたたんだ状態より長さが2.5cmほど長いだけなので違和感がありません。71ページもある小冊子ですが、自分が歩いているページの端を折って目的のページが一発で開ける様にしていたのでこまめにチェックするのに向いています。なんだったら自分で栞紐を付けてもよいかもしれませんね。3種類の地図は書いている内容はまったく同じです。また、これらの地図には普通の登山地図のようなコースタイムや距離は書かれていません。ざっくりとした距離表示はありますが、直感的ではないので各ランドマーク間の距離を書いておきました。さすがに長い距離を歩くのを趣味にしているので、自分が歩くスピード&ペースは把握しています。なので、このように細かく距離を把握することでその日の行動するペースを掴むことが出来ます。また、行動中のメモもこの地図に直接書き込んでいました。なので帰ってきたらこの小冊子はボロボロになっていますが、愛着が湧いて捨てられませんね・・・。
後述しますが、この地図の他に千国の資料館で頂いた地図が、塩の道の核心部のみですが公式マップより詳細に書かれています。こちらの地図もお薦めです。
また、実際に歩くにはこの地図だけだと(特に市街地などは)かなり不安なのでiPhoneに「スーパー地形」というアプリを入れています。詳細は後述します。
鯉のぼりです。自分が子供の頃は個人宅でも大きな鯉のぼりが泳いでいたもんですが、あまり見なくなりましたね・・・。信州のあたりならまだそういう習慣も残っていると思ったけど、個人宅ではほとんど見ませんでしたね・・・。
ん? なんかの果樹園がある。
本来のルートは奥に見える家の方を通ると思われるが、住宅街を歩くよりはこっちの方がいいかな〜。でも、昔に道を作るとしたら地形的に考えてやっぱあっちだよな〜。
ベンチでちょいと休憩。ここでインナーに着ていた長袖のシャツを脱ぐ。思いの外天気が良くて気温も上がってきた。この時期は着るものの選択に困る。今回も出発のギリギリまで悩んでいた。長袖のシャツはウールの冬用と化繊の夏用を用意していた。この時は冬用を着ていたのでかなり汗をかいてしまった。これでファイントラックのスキンメッシュと厚手のソフトシェルだけになる。スキンメッシュは保温性は無いのでほぼアウター1枚ということになった。あとは前面のチャックの開閉で中の体温を調整した。
10分ほど休憩して出発。本来のルートはアルプス公園の外側を通るけど、駐車場の脇にあった園内地図によると中を通っても行けそうなので中を通ることにした。ここで初めて地図に書かれたルートを意識的に外した。地図通り歩くことも大切なのかも知れないけど、今後は面白そうな所は積極的に寄り道していこうと思っている。
花の丘の上には水場がある。いずれ何度か書くことになると思うけど、このトレイルは大網峠を挟んでコチラ側(長野側)は比較的水場に恵まれているのに対して、ムコウ側(新潟側)は水場が少ないように思う。
オレンジの道と、木々の緑、空の青のコントラストが素晴らしく、思わず小走りしたくなるような道。120kmの全コースを通しても1位2位を争う気持ちのいいトレイルだった・・・。特にここまではずっと街中や住宅街の舗装路ばかりだったので気分的にも足腰にもリフレッシュ出来た。だけど、この道は長くは続かないんだよね〜・・・。
大きな道に出た。右下にトンネルのようなものが見えるけど、沢が流れているように見え、とても人が通れるとは思えない、しかし、公式マップには地下道をくぐるように書かれている。しばらくウロウロして普通に道に出ることにした・・・。
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